dreamy! roar! shoegaze pop! monocycle unofficial fansite

秋田・青森を拠点に活動するシューゲイズバンド『monocycle』の非公認ファンサイトです。

DISCS

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 monocycle『strawberry ep』

 2014年3月発表

 strawberry

circus

ok

pedal

 

 

 ■ ついに鳴らされた、17年目のスーパーカーへの「一つの回答」

 

2013年結成。秋田県大館市在住の男女ツインVo、四人組シューゲイズ・バンドの1st EP。一言で言えば、初期スーパーカーを連想させるデイ・ドリームサウンド。テクノロジーの進歩により、個人向けのレコーディング環境が一昔前に比べて遥かに身近になったとはいえ、一介のローカルバンドにしては出来過ぎなほどの高い完成度である。あの時、― 既に17年前である―スーパーカーが、どこかエキゾチックな青春性を纏って、十和田という未知の場所から我々の目の前に登場したとき、何よりも我々の胸を撃ち抜いたのは、白痴すれすれの狂ったイノセンスの輝きであり、圧倒的な才能を持つ者の、世の中を一丁おちょくってやろうという傲岸不遜な矜持であり、セルアウトへの捩くれた野心と、どこか醒め切った投げやりな批評性であり、全ての夾雑物を払い除けて、いきなり本質を鷲掴みにして差し出す、むせ返るほどの魔法のようなドリーミー・ポップであり、90年代を席捲したオルタナティヴ・ロックシューゲイザー・サウンドを消化して、それ以上に聴き手を危険なほど揺さぶる能動的な表現力を持ったロックバンドとして、その音楽性が、J-ROCKの一つの到達点であることを目撃したことにあった。この巨大な才能に、如何にして手傷を負わせることが出来るのか―数多ある所謂、現行国産シューゲイズ・バンドの多くが、早々に白旗を揚げてスタイルという殻に引きこもっているように思えるのだ。この巨大な才能に対する「一つの回答」― 手傷を負わせるとまではいかないだろうが― それはまたしても北東北の小都市からやって来た。奇しくもスーパーカーの故郷である十和田市から、十和田湖を挟んでほぼ隣町である。スーパーカーの登場からほぼ16年にして、オルタナティヴ・ロックシューゲイザーを消化した音楽的フィジカルと、それに留まらない表現力を兼ね備えたバンドがついに登場したのだ。これを地元は誇りに思うべきだろう。もちろんスーパーカーのようなパイオニアと地方都市の一介のアマチュアバンドを単純に比較する訳にはいかない。圧倒的な才能と燃えるような野心を胸に、この国の音楽業界のど真ん中に斬り込んで行ったバンドと、地方都市を拠点に淡々と活動を続けるバンドとでは、目指すところも見ている風景も全く違うだろう。しかし、そのことが逆説的にダウン・トゥ・アースな肯定感をダイレクトに鳴らすことに成功していると思うのだ。単にオルタナティヴ・ロックシューゲイザーと呼ばれるスタイルの消化というレベルを超えて(それだけでも充分凄いことであるが)、異常な肯定感の爆発が丸ごと聴き手の存在を祝福する―この轟音は、一般的な音楽表現に望みうる、ある種のピークに達していると思うのだ。これが、確かに17年前にスーパーカーが切り開いた地平と現行国産シューゲイザー・シーンに対する一つの回答に充分成り得ていると思うのだ。この作品は、間違いなくインディー・ギターロックの一つの到達点として歴史に残る傑作だと思う。